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映画『クライマーズ・ハイ 』の試写会に行ってきました。

18日(水)18時半より新橋ヤクルトホールで行われた、映画『クライマーズ・ハイ 』の試写会に行ってきました。この作品の原作は、『半落ち』で御馴染みの横山秀夫さんです。

1985年8月12日、群馬県御巣鷹山に日航のジャンボ機が墜落し、死者520人という過去最大の航空機事故が起こったことは、皆さんの記憶にも残っていると思います。この映画は、あの事故の報道をするために奮闘した、地方紙で働く人たちの姿を映画化したものです。

この事故が起きた日、事故現場である群馬にある北関東新聞では、遊軍記者・悠木和雅が全権デスクに任命されました。上司の嫉妬からくる嫌がらせ、中央のマスコミとの競争、地元出身の名士に対する配慮など、様々な困難の中、紙面を埋めるために記者たちは奔走します。

この映画の中には、大きな事故に直面しその報道に携われるということでちょっと興奮気味の記者さんたちが登場していました。報道に携わる人間なら、きっとそのような気持ちが理解できるのかも知れません。でも、私はそんな人たちの姿を観て、最初は「なんて不謹慎なんだろう」という嫌悪感を抱かずにはいられませんでした。

ただ、悲惨な現場の様子を観たことが原因で、錯乱状態に陥った記者が、道に飛び出して交通事故に遭って死んでしまうシーンを観て、記者の方たちも大変な思いをされていたのだろうなということが、スクリーンを通じてひしひしと伝わってきたのです。現場の様子を正確に伝えようと思っても、あまりにも悲惨な現場だったため、読者が不快に思うかも知れないという理由で、現場の様子を記事にすることが出来ないという現実。これはマスコミの人にしか分からない苦労だと思います。

また、正確な報道をしなくてはならないという慎重さが原因で、他社にスクープを持っていかれてしまったという場面では、情報をどこまで信用して記事にすればよいのかという、難しい判断を迫られる人たちの緊張感を知ることが出来ました。もし私があんな職場にいたら、きっと毎日胃が痛くなってしまうことでしょう。

こんな緊迫した内容だったからでしょうか、上映時間が145分にもなる作品なのに、最後まで飽きることなく見終わることが出来ました。この作品、一見の価値はあると思います。映画『クライマーズ・ハイ』は、2008年7月5日より 丸の内TOEI1ほか全国にて公開されます。

映画『クライマーズ・ハイ 』の試写会に行ってきました。_c0034138_19421787.jpg

[画像:エキサイトシネマ]

(注)

この映画の中で古い言葉がいくつか出来てきます。例えば、「大久保・連赤」「洋パン」などという言葉です。もし出来ることなら、事前に意味をチェックしてから映画館に行った方が、この作品をより一層理解できると思います。ちなみに、タイトルの「クライマーズ・ハイ」とは、山登りをしていて興奮状態になり、高い所にいるという恐怖感が麻痺してしまうことだそうです。

(追記)

公開前の映画にこんなことを言うのはよくないかも知れませんが、堤さんと小沢さんの山登りのシーンは要らなかったと思います。山登りのシーンがあると、過去なのか未来なのか混乱してしまうような気がしました。